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麻から抽出される成分「CBD」とは?使用しても法的に問題はないの?

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CBDの原料である「麻」とは?

ここ近年、カンナビジオール(CBD)を使用したオイルやサプリメントなどが世界中で話題となっています。アメリカ合衆国などでは美容・健康業界を巻き込んだ一大ムーブメントとなっているほか、ヨーロッパなどでは人間だけではなくペットをも対象としたCBD製品が提案され、愛用されています。このような海外でのブームを受けて、日本でも海外のCBD製品を使用する人々が増加しています。
ところで、そもそもCBDは何から作られているかをご存じでしょうか。実はこの成分、ある植物から抽出されているのです。その植物とは「麻」。太古の昔から人類に親しまれていた植物で、食用をはじめ、織物の繊維や建築材料など、その利用方法は現在でも多岐にわたります。

CBDもその麻から取り出されているわけですが、実はこの植物には、先ほど挙げたような一般的な用途とは異なる使われ方をしてきた歴史があります。

それが「大麻」の原料としての側面です。人類が大麻を使用してきた歴史は古く、中国では2700年前に祈祷師によって大麻が使われた形跡が発見されているほか、「歴史の父」とも称される古代ギリシアの歴史家ヘロドトスも、紀元前450年のスキタイ人やトラキア人が大麻を愛用していた、とその著書『歴史』の中で記しています。

近世以降も、ヨーロッパでは大麻から作られるマリファナの愛好家が集うクラブが設立されたり、各国の王室に属する人々もこぞって使用していたと言われています。

日本においても、大麻の効能として「気が抜けてしまい、うつけになってしまう」旨が江戸時代初期の本に記されているほか、博物学者の貝原益軒は、その著書の中で大麻の持つマラリアへの効能などに触れています。

享楽を目的としたもの、医療を目的としたものなどその内容はさまざまですが、人類がその長い歴史の中で大麻を使用し続けてきたことは間違いありません。

そんな大麻ですが、知られている通り、今では麻薬として取り扱われています。

大麻に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)という成分は強い薬理作用を持っており、人の脳内にある受容体に働きかけ、幻覚や幻聴、場合によっては精神錯乱をも引き起こすためです。

その作用を求めて濫用しようとする人が後を後を絶たないことから、現在、多くの国ではその使用が禁止、あるいは厳しい制限をかけられるなどの処置が行われています。

日本ももちろん例外ではなく、国内での大麻の流通に対しては「大麻取締法」、麻薬全般については「麻薬及び向精神薬取締法」による厳格な規制が実施されています。

実際、最近でもこれらの法律に違反した疑いで逮捕者が出たことが報道されるなど、麻薬である大麻を使用してしまう事例がたびたび発生しているのが現状です。

さて、先ほど述べた通り、CBDはその大麻と同じ原料である「麻」から抽出される成分です。そこで当然、一つの疑問がわいてきます。

そもそも日本国内で、麻から作られるCBDを使用することは問題ないのでしょうか? CBDを使用したことで、「大麻取締法」などの法令違反によって逮捕されてしまう、などという事態にはならないでしょうか?

「大麻取締法」および「麻薬及び向精神薬取締法」と「麻」の関係

先ほど「麻」と麻薬である大麻の関係について簡単に述べてきましたが、その大麻と同じ原料から取り出される成分、CBDについては法的に問題がないのでしょうか。

すでに触れた通り、日本国内で大麻に関する規制を行う根拠となる法律は「大麻取締法」と「麻薬及び向精神薬取締法」です。これらの法律の内容をそれぞれ見てみましょう。まず「大麻取締法」の第一章第一条には、次のように記載されています。

この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

引用元:大麻取締法

そして、「麻薬及び向精神薬取締法」には、先ほどお伝えした「麻」の成分の一つであるテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていてはならないとする条文が存在しています。

つまり、麻から成分を抽出して使う場合は、すでに成熟した大麻草の茎、もしくは種だけを原料としなければならず、加えてその成分にテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれていてはならない、と規定されていると考えることが可能なのです。

それは、言い換えれば、この内容に沿った方法で麻の成分を抽出するのであれば、日本国内での使用にも問題はない、ということになります。

ここでCBDの話に戻りましょう。まず、CBDはTHCとは明確に異なる成分です。CBDの人体への作用機序はTHCと全く異なっており、人に強力な向精神的作用などはもたらさない代わりに依存性も存在しません。

そのため、その抽出は国内でも法的に問題とされていないほか、海外では以前から医療目的で使われてきたという経緯があります。

また、「大麻取締法」で、茎や種ではない葉や花などの部分から成分を抽出することが禁じられているのも、その部分にTHCが多く含まれているからという背景があります。

つまり、日本国内で、葉や花ではなく茎や種から抽出されたCBDが含まれている製品を使用したとしても、法的な問題は存在しない、ということになるのです。

海外製のCBD製品には法律違反となってしまうものも?

日本国内でのCBD製品の使用そのものについては法的な問題がないことがわかりましたが、それではどんな製品でも全く問題なく使えるかと言うと、それはまた別問題となってしまいます。

その理由は、現在日本で流通しているCBD製品のほぼ全てが海外製のものだという事情にあります。海外で作られた製品は当然それぞれの生産国の法律に準拠する形で製造が行われます。

そのため、その製品の出自や成分、内容が日本の法律に沿っているかをしっかり確認する必要があるのです。

例えば、現在日本に流通する多くのCBD製品の製造元はアメリカ合衆国となっていますが、実はアメリカ合衆国ではTHCがごく微量(乾燥重量で0.3%以下)であれば、含まれていても問題はないとされています。

ところが、THCは日本では一切含有が認められていないため、ごく微量であってもTHCが含まれた製品を使用した場合、問答無用で法律違反となってしまうのです。

このように、海外と日本国内ではその基準となる法律の内容が違うため、海外製のCBD製品を利用する際にはその成分を必ず確かめることが重要となります。

本来であれば、日本国内で日本の法令に準拠したCBD製品が製造され、流通している状態が一番です。

しかし、日本では厳格な「大麻取締法」および「麻薬及び向精神薬取締法」によってその取り扱いや研究そのものに制限がかけられていることや、国内において「麻」が麻薬としての暗く近寄りがたいイメージを強く持っていることもあり、今のところ日本ではCBD製品は製造されていません。

結果として、私たちがCBD製品を使おうとした場合は、必然的に海外製の商品となってしまうのです。そのため、CBD製品を選ぶときには、法的な問題についても常に頭に入れておく必要があると言えるでしょう。

合法的に使えるCBD製品を見分けるポイントとは?

CBD製品の使用が法的には問題はないものの、製品によっては、そのつもりがなくても日本の法律に違反してしまう可能性があることがわかりました。それでは、合法であり、しかも安心して使えるCBD製品を私たちはどのようにして選べばよいのでしょうか。

その為には、まずしっかりとした業者を選定する必要があります。日本国内でCBD製品を輸入、流通を手掛けている業者の協会関係者も、先ほど述べた法律や、成分表示に関わる法律である「景品表示法」への注意を喚起しているとのことですが、それでもすべての業者が法的、成分的に安全な製品を輸入しているとは限りません。

それでは、しっかりとした業者とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。まず避けたいのは、個人で海外から輸入した製品を取り扱っている業者です。

このような業者は、関係省庁で正式な手続きを行っているとは限らないため、輸入している製品が法的に問題がないかどうかの保証がありません。

実際、個人業者から購入した製品が日本の法令に違反しており、使用者が逮捕されてしまった事例も存在するようです。CBD製品を購入する場合は、個人の業者は選ばないように心がけましょう。

次に、業者が法人であっても、その販路はインターネットに限られておらず、日本国内にも路面店を持っているかどうかを確認するようにしましょう。

インターネットしか販路がない場合、何か製品に問題などが起こった場合でも、連絡が取れなくなってしまう可能性があります。

また、国内のインターネットサイトに窓口を設けていても国内に拠点が存在しない場合、肝心の商品は海外から直接発送で、日本の法令への準拠があいまいな可能性もあります。

日本で実際の店舗を構え、営業を行っている業者を選択することが賢明です。

また、その業者が関係省庁、具体的には厚生労働省や税関当局との手続きを経て、正式な販売許可を得て営業を行っていることも重要です。国による許可が下りるためには、当然その取り扱う製品も法に則っている必要があります。

そのため、国からの認可は大きな保証と考えることができるのです。CBD製品を求める際には、その業者がきちんと正式な許可を得ているかを確認することを怠らないようにしましょう。

加えて、その業者が安定した販売実績を持っているかのチェックも大切です。販売実態の安定は、その業者に多くの消費者が満足していることの証明となります。

以上のことがらを意識したうえで業者を選んでいくことで、法的に問題がなく、安全なCBD製品を入手できることでしょう。

安全・安心にCBD製品を使用するために

ここまでCBD製品を使用する際の合法性や、安全、安心にCBD製品を利用するためのポイントをお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。これまで述べてきたことをもう一度簡単にまとめると、次のようになります。

まず、CBDが含まれた製品の使用自体は、日本国内であっても違法にはなりません。ただし、そのCBDは、葉や花ではなく、茎や種から抽出されたものであることが必要です。さらに、そのCBD製品には、THCが一切含まれていないことが重要となります。

そして、現在のところ、日本国内でCBD製品を実用化して生産している業者はほとんど存在しないため、CBD製品を使用する際は、基本的に海外からの輸入品を使用することになります。

その商品の選択の際は、まずは個人が輸入しているような業者は避けることが肝心。法人格を持ち、インターネットのみならず、国内にも実際の店舗を構えて販売拠点を持っている業者を選ぶようにしましょう。

さらに、その業者が関係省庁との手続きを経て、正式な国の認可を受けていることの確認もお忘れなく。

CBD製品は、「大麻取締法」「麻薬及び向精神薬取締法」と言った法令と密接なかかわりを持った植物である「麻」から抽出される成分であることは間違いありません。

ちょっとした確認を怠った結果、実は法律に違反していたなどという事態だけは避けなければなりません。

以上のことさえ頭に入れておけば、トラブルなくCBD製品を選ぶすることが可能です。現在、人々の生活に明るい光をもたらす存在として、アメリカ合衆国やヨーロッパ各国で一大ムーブメントを巻き起こしているCBD。

賢くCBD製品の数々をチョイスして、それらのもたらしてくれる素晴らしい効果を存分に楽しみましょう!